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気まずい二人

気まずい二人
店内から見える里山もだいぶ緑が多くなり、春の訪れを感じます。

先週の木曜日の朝、犬が倒れた。ゴミ出しの日なので、よく覚えている。
ゴミを出してから犬を連れて、郵便局の周りを一周して帰ってくるのだが、道路に出る手前の大きな椿の木の下で、ウンチをしながら、お尻が揺れて、そのまま横倒しになった。
慌てて抱きかかえ戻り、犬小屋に入れた。
頭だけ小屋の外に出して妻を呼び、枕代わりの毛布を犬の頭の下に入れた。
パジャマ姿の妻は、泡を吹いている犬を見て、隣のおばさんを呼んだ。
母と娘も出てきて、額を撫でたり、腹をさすったりしている。
「もう、だめか、昨日の夜寒かったからね」と私。
「ほら、体温が下がってるよ。体も固くなってきてる」と妻
母は、しょうがないか、と腕組みをし、娘は犬の鼻をさわっている。

隣のおばさんは、いつも犬におやつをくれる。だからこの頃、犬はいつも隣ばかり見ている。
妻がおばさんに「最期なんで、撫でてあげてください」と言う。
おばさんは撫でない。遠慮している風でもない。
犬の呼吸は荒くなり、時々吐きあげる。
「ほら、目が白濁しているよ」と妻。「いつもだよ」と思った。
おばさんは撫でない。

しばらくして、徐々に呼吸は整い、みんな、何となく少し様子を看ようという事になった。

2、30分して隣のおばさんが、声をかけてきた。
「ほら、ハナちゃん、おやつ食べたよ」
妻は犬小屋にかけ寄り「良かったね〜」と言いながらも、何となく、気まずそうだった。
犬も申し訳なさそうに、うなだれている。

犬小屋の中にには、ウンチが落ちていた。
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